こんにちは。
先日、筑波大学女子サッカー部を引退しました樋口那帆(#19 ララ)です。

シーズン中は目の前のことに精一杯で落ち着いて振り返る余裕がなかったので、
この機会にサッカー人生を振り返り、これまでの感謝の気持ちを伝えられればと思います。

拙い文章ではありますが、最後まで読んでいただければ幸いです。



筑波大学女子サッカー部引退。
そして、16年にわたるサッカー中心の人生も一区切りとなりました。

家族の影響で小学1年生の頃に始めたサッカーですが、
振り返ってみれば、中学校に上がるとき、高校・大学を選ぶとき、
進路を決める基準には当たり前のようにサッカーがありました。

常に上を目指してプレーしていたものの、
小学生の頃から捻挫を繰り返し、骨折や肉離れ、靭帯断裂など
多くの怪我に悩まされました。
大学生活の大半をリハビリに費やし、サッカーに関しては苦い思い出が少なくありません。

怪我の話なしには語れないサッカー人生。
決して上手くいくことばかりではなかったけれど、
サッカーを通して得た学び、出会い、感情、様々な経験のすべてが私の一生の宝物です。
大事な大学生活の4年間を同期たちと一緒に駆け抜けることができた今、とても幸せです。

復帰して練習に入ることができていた数か月間は、サッカーをできていることが当たり前ではないことを強く実感しました。上手くいかないことすらも楽しいと思える、充実した時間でした。
復帰できる未来が想像できなかった地点から考えると、少しの時間でもプレーできたことは神様からの贈り物だったようにも感じます。

このように怪我とリハビリを繰り返した原因を考えてみたところ、
身体を動かすのが大好きで、負けず嫌いで成長志向が強いからこそ、知らず知らずのうちに無茶をしてしまうこと、その上自分の体や心に鈍感だったことが大きな要因だと思います。
股関節を痛めるまでボールを蹴ったり、肉離れするまで走ったり、ケアが不十分であったり。頑張り方と休み方が下手でした。

また、大学生になり普通にサッカーをすることがこんなにも難しいことだったのかと、嫌になるほど痛感しました。
怪我をしない身体作りに励もうと意気込んで入部した一方で、常に自分にベクトルを向け続けられなかったことが自分の弱さだと思います。
これらの反省や後悔はしっかり受け止めて、今後の人生に生かしていきます。

それでも、このような状況の中、自分なりにたくさん考え向き合い、多くの人に支えられた結果、ここまで辿り着くことができました。

特に今シーズン。
嬉しさ、悔しさ、様々な感情を共有しながら復帰までの道をともに歩んでくださったひかりさん、様々な視点からアプローチしてくださった吉田さんをはじめ、たくさんの方のお陰で、もう一度ピッチに立つことができました。
復帰を信じて一緒に頑張ってくれた同期や後輩、
寄り添って話を聞いてくれた先輩方、
温かい言葉をかけてくださり復帰を待ってくださっていたスタッフさん、
病院の先生・PTの方々、SPECや治療院の方々、
そして遠くから常に支えてくれていた家族、友人、大切な人。

本当にありがとうございました。
みなさんがいたから頑張れました。


さて、
こんなにも私を悩ませるサッカーを、なぜここまで続けてきたのか。
今シーズン感じたことを踏まえ、改めて考えてみます。

一つ目。
教育実習明けの久々のトレーニング、
いつも違和感のある膝に痛みを感じることなく、ラダーをすることができました。
たったそれだけのことなのに、私は、まだ動けるんだ、チャンスが残されているんだと感動してしまいました。
その後もストレスなくドリブルできたことが楽しくて仕方ありませんでした。
このとき感じた何にも代え難い喜びを、自ら手放す選択をしなくて本当に良かったと、心の底から思いました。

二つ目。
教員採用試験の対策でマット運動やバスケの練習をしていた中で、
できないことが少しずつできるようになる喜びを久々に味わい、自分の成長意欲の強さに改めて気づきました。
この成長を楽しむ気持ちこそが、サッカーから離れられない理由のひとつだったかもしれません。


これだけではないにせよ、やっぱり私は何かに憧れていたくて、成長を楽しみたかったのだろうと思います。

そして、大学生活を通してサッカー以外の世界も見えたからこそ、
サッカーを選択しているのがほかでもない自分自身であること、
自分で選んできた道の先に今の私がいることを認識できました。

続けることがすべてではなく、
「自分で決めること」、そして「その道を正解にしていく過程」に意味を見出すことができました。

うまく言葉にできているかわかりませんが、そのおかげで、
過去の様々な経験や選択のすべてが今の私に繋がっているのだと肯定的に捉えることができ、自分のことを認めてあげるのが少しだけ上手になったように感じます。
もちろん悩むことも多くありましたが、傍にいてくれた仲間の存在は私にとって、とても大きなものでした。一緒に悩んでくれてありがとう。

そして、引退という節目である今、選んできた道が正解だったと胸を張って言えます。
こんなにも素敵な人たちと出会い、かけがえのない経験ができたからです。

やめない選択を後押ししてくれた人にも、やめてもいいんだと逃げ道を用意してくれた人にも、お礼を伝えたいです。
ありがとうございました。



また、女サカではピッチ内外を問わず多くの経験をさせていただきました。

特に、最高学年になってからの1年間は非常に濃く、充実した時間だったと思います。

シーズン中、壁にぶつかる度に、勝つためにはどうすれば良いのか、
より良いチームを作るために何ができるかを4年生やチーム全体で話し合ってきました。
その中で、一人ひとりがもつ熱い想いや考えに改めて気づかされ、このチームがさらに好きになりました。

チームで掲げた目標に向けて、
互いを尊重しながらも一人ひとりができる形での最大限を尽くす。

簡単なことではありませんが、
これができる素晴らしい仲間たちと出会えたこと、そして目標に向かって過ごしてきた日々を誇りに思います。


それから、自分より周囲を優先しがちな私に、自分のことも大切にしてほしいと念押ししたうえで、私を信じて主務を任せてくれた同期には大変感謝しています。

先輩方が私たちにしてくれたように私も後輩やチームの力になりたいと思い過ごした今シーズン。実際には、逆に後輩たちや周囲の人に支えられた場面がたくさんありました。
私自身、何をどれだけ残せたかはわかりませんが、
このチームの主務として過ごせた日々も私にとって大切な宝物です。

入学当初に思い描いていた、
家族やコーチに成長した姿をプレーで見せて恩返しするという目標、
めちゃめちゃ上手くなってサッカーを心から楽しめるようになりたいという理想を叶えることはできませんでしたが、こんなにも実りある経験ができるなんて思ってもいませんでした。

私が怪我をしたとき、私より先に涙を流すような心優しい後輩がいて、傍にいてくれる同期がいて、そんな温かい環境に恵まれていたことを幸せに思います。

貴重な経験をありがとうございました。


最後になりますが、
サッカーを通して出会ったたくさんの仲間、指導者の方々、かけがえのない日々と数えきれないほどの学びをありがとうございました。
これまで私に関わってくれた全ての人に感謝の気持ちでいっぱいです。

同期へ
様々な葛藤を抱きながらも前を向き、思いやりに溢れているみんなを心から尊敬しています。4年間ありがとう。これからもよろしく!

そして何よりも、
いつも遠くから支えてくれて、実家に戻る度に温かく迎えてくれた大好きな家族。
「いつでも帰る場所がある」という安心感があったからこそ、自分のやりたいこと、今しかできないことを全力で頑張りたいと思えました。
好きなことを好きなだけやらせてくれて、ありがとう。

サッカー中心だった私の人生第一章は終わりますが、
今までの経験のすべてを糧に、今後も一人の人間として成長し続けます。


最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

引き続き、筑波大学女子サッカー部の応援の程よろしくお願いいたします。

#19 樋口那帆










〈執筆者プロフィール〉
樋口 那帆(ひぐち なほ)
学年:4年
学群・学類:体育専門学群
コートネーム:ララ
前所属チーム:鳳凰高等学校
  
Posted by 筑波大学女子サッカー部 at 21:37Comments(0)2024 2024引退ブログ