こんにちは。
看護学類4年の佐々木茜(#74 ナナ)と申します。
私が女子サッカー部の一員として引退ブログを書く今日に至るまでに、紆余曲折(と言うほどではないかもしれないけど…)、まあ色々ありましたので、少し振り返らせていただければと思います。


絶賛コロナ禍で始まった大学生活。憧れの地・つくばへの引越し前日に宿舎の入居に待ったがかかり、夢と希望に満ちていた新学期は相変わらずの冴えない実家でスタートしました。
つくばに引っ越せたのは夏休みに入ってからで、地元と違う慣れない暑さのなか寂しくて泣きながらおにぎりを食べていましたが、4日後には元気にグラウンドへ見学に行き、あっさりと入部を決めてしまいました。マネージャーとして入部です。「自分はプレーしないのか」とよく聞かれますが、「体育の成績2」という一言で察してください。

そもそも私が入部したのは「サッカーを観るのが好きで!将来はサッカーに関わる仕事がしたくて!」という何ともポヤッとしたもので、正直なところ当時は覚悟の"か"の字もありませんでした。当時の自分に、そんな生半可な気持ちで入部するなと言いたいですね。
これからの4年間でどこまででも成長できる可能性を秘めた自分自身と、ずっと憧れていた新しい環境に対する無限の期待で胸いっぱい、といったところでしょうか。当時の私は自己肯定感高めで、自分を「できる子」と信じて疑っていませんでしたので。お恥ずかしい。

そのまま目をキラキラさせて毎日を過ごせていれば良かったのですが、自分でも驚くほどすぐにポキリと折れます。マネージャーとして何をすれば良いのか、何ができるのか、何を求められているのか、自分で考え自分で見つけなければいけない、分からないなら聞けば良いと頭で分かっているのに、動けない、できない。当たり前にメニューが進み、目の前でみんなが一生懸命練習している中、完全にグラウンドでの居場所を見失い混乱しながらも、なんとか2時間を乗り切っているという感覚でした。

楽しいこともたくさんあって充実した毎日だったことは間違いありませんが、グラウンドに行く度に無力感と焦りでいっぱいで、自分でも理由の分からない泣きたい気持ちになっていました。特に何があったわけでもないけれど、挫折というものを初めて味わったと思います。
どこかが痛いわけでもないし、強い言葉で怒られるわけでもない。ただただできない自分に嫌気が差して、悔しさと、自分の弱い部分と向き合うつらさ。楽しいことにも目が向けられず、自分が部活に行く意味が分からなくなっていました。

何がつらいのかと聞かれても説明できず、先輩たちを困らせていたと思います。結局、同期にも先輩にもろくに相談しないまま、学類からの活動自粛要請を言い訳にするような形で休部し、2年生の終わりに退部しました。

悩みに悩んで決めたことだし、当時の自分を否定はしません。必要な選択だったと思います。でも、自分の弱さに向き合えず逃げを選んだのだという失望、劣等感は付き纏いました。グラウンドの前を通る度に後ろめたく、自分で辞めたくせにちょっと傷付くような感じがして、これで良かったと思おうと必死でした。

3年生は売れっ子芸能人の分刻みスケジュール並みに忙しい毎日で、部のことを考えて凹む暇もないほどに動き回っていたこともあってか、秋には試合の応援に行って純粋に部を応援していました。後輩が入部し、同期はオンでもオフでもそれぞれの役割を確立して、ますます強くなっていました。

一緒にご飯を食べて喋っている時は可愛い同級生だけど、グラウンドにいる同期はかっこいいアスリートです。

部を離れて、一歩引いて外から見た女サカは、本当に輝いていて心から応援したくなるチームでした。応援に行けば笑顔で迎えてくれて、どんな役割の選手も一人ひとりがまっすぐで一生懸命なのが伝わってきます。言ってしまえば赤の他人なのに、応援したい、力になりたいと思わせるパワーを持っている、それは本当に誇れることだと思います。この人たちのために何かしたいと感じさせること、プレーを見た誰かの心を動かすこと、そんな凄いことを女サカのみんなは日々やってのけていました。みんなの人柄あってこその、チームとしての魅力だと思います。

私は改めて女サカマジックにかかり、スポーツに関わりたいという思いも増す一方で、そして最後は電話サービスの占い師さんの言葉で心を決め、4年生のラストシーズン、もう一度女サカに関わらせてほしいと同期に伝えました。

自分が部を離れた後も誕生日をお祝いしてくれたり、会えば笑顔で話してくれたりして、何も相談せず自分勝手に部を離れたのに、切り捨てず受け入れ続けてくれた懐の深い同期。シーズン始動が迫り連日のミーティングで大変な中、本当に優しく私をサポートしてくれて、部に戻れるようたくさん力を貸してくれました。
お忙しい中お話しする時間をくださり、温かい言葉をかけて迎えてくださったスタッフの方々、今の部に馴染めるのか不安でいっぱいだった私に屈託なく話しかけてくれた後輩たち、そして私のことを引き受けて下さったトレーナーのたえみさん。

たくさんの方のサポートと優しさのおかげで叶った2度目のチャンスです。

トレーナーという役割を持ちたい、学ばせてほしいとお願いし、研修トレーナーとして再び部に関わらせていただけることになりました。部への関わり方について自分の都合でのわがままを通していただいた部分もあり、私を受け入れてくれた女サカのみなさんには本当に頭が上がりません。


そして始まった4年生の1年間は、あまりにもあっという間でした。
冷気で白くなったグラウンドでの冬の朝練、合宿、かわいい新入生、毎週末の連戦、暑くて長い夏、SPF50でも太刀打ちできない日焼け、雷雨で練習中止、急な冷え込み、体調不良…本当にいろいろありました。雨のなか必死で自転車を漕ぎ、友達のキラキラしたInstagramを見て溜め息を吐き、思ってた22歳と違うなあと思った日もあります。

だけど、それ以上に楽しいこと、嬉しいこと、感謝することの連続でした。

毎日たくさん笑って、一緒に喜んで、感動して、緊張して、時には本気で泣いて、ドキュメンタリードラマかと思うような大小様々な事件も次から次へと起こったりする毎日で、まさに「笑いあり涙あり」の映画のような時間でした。もっと言えば「笑いありスベりあり爆笑あり、涙あり号泣あり、汗あり、たまに流血あり」。

毎日毎日、憂鬱でもどこかが痛くてもテスト前でも、ひたむきに練習に取り組むみんなの姿。オフの日に遊んでいる時もスマホと睨めっこで係の仕事をしている同期。なんてことない笑顔の裏には途方もない思いや苦労があり、部のために犠牲にしてきたこともたくさんあると思います。一人ひとりがいろいろな思いや大変さをそれぞれ抱えていて、それでもいつも一生懸命に妥協せずやり続ける強さ。
心から尊敬できる人に囲まれ、支えてもらいました。とても陳腐な表現になってしまいますが、短いようでちゃんと長かった1年間、楽しかったけど何だかんだ大変だった1年間を終え、そして1年生の初めてグラウンドに行った日から色々なことを経て、引退ブログを書く今日まで来れたのは、頑張っているみんなが一緒にいてくれたからです。

女サカのみんなは、それぞれが「敵わないなあ」と思わせられる魅力を持っています。そんなみんなが作る想いのこもった環境に出会え、またその一員でいられたことに感謝しています。


本当にありがとうございました。


これからも魅力いっぱいの女サカを観るのを楽しみにしています。
  


最後になりますが、2023シーズンも温かいご支援、ご声援をありがとうございました。
今後とも筑波大学女子サッカー部をよろしくお願いいたします。


#74 佐々木茜

笑いあり涙あり #74  佐々木茜
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Posted by 筑波大学女子サッカー部 at 11:11│Comments(0)2023引退ブログ2023
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