2023年10月13日
懸ける想いがあるから① #7 平中響乃
懸ける想いがあるから
~あなたにとってサッカーとは~
~あなたにとってサッカーとは~
「あなたにとって、サッカーとは何ですか?」
大好きなもの。
楽しいもの。
全力になれるもの。
日常に欠かせないもの。
筑波大学女子サッカー部の部員に聞くと、様々な答えが返ってきた。
普段は多くを語らない部員たちだが、一人ひとりがサッカーへの熱い想いを胸に秘めている。
そんな部員たちが、自身のサッカーに対する想いを赤裸々に綴るこの企画。
大好きなもの。
楽しいもの。
全力になれるもの。
日常に欠かせないもの。
筑波大学女子サッカー部の部員に聞くと、様々な答えが返ってきた。
普段は多くを語らない部員たちだが、一人ひとりがサッカーへの熱い想いを胸に秘めている。
そんな部員たちが、自身のサッカーに対する想いを赤裸々に綴るこの企画。
題して、
「懸ける想いがあるから~あなたにとってサッカーとは~」
「懸ける想いがあるから~あなたにとってサッカーとは~」
今回は、2年生ながら守備の要として、プレーでも声でもチームを引っ張る平中響乃です。
ぜひ最後までご覧ください。
#1
体育専門学群 2年
#7 平中響乃(前所属:三菱重工浦和レッズレディースユース)
体育専門学群 2年
#7 平中響乃(前所属:三菱重工浦和レッズレディースユース)

こんにちは。体育専門学群2年の平中響乃(#7 ナラ)です。
いつも筑波大学女子サッカー部への多大なるご支援とご声援、誠にありがとうございます。10月に入り、一気に寒くなってまいりましたが皆さまいかがお過ごしでしょうか。どうか体調には十分に気をつけてお過ごしください。
今回は私のサッカーへの想いについて書かせていただきました。自分の想いを文字にするのってほんとに難しい。一週間前くらいから書いていたのに提出期限に間に合いませんでした。ブログ班の皆さん申し訳ありません。もともと文章を書くのは苦手なので、まとまりのない文章となってしまいましたが、最後までお付き合いいただけると幸いです。
まずは、私の経歴について軽く紹介させていただきます。私は小学校1年生の時に父親の影響で近所の少年団(男子チーム)でサッカーを始めました。小学校4年生からは戸木南ボンバーズFCという長谷川唯さん(現・なでしこジャパン)も所属していた女子チームにも所属し、サッカー漬けの毎日を過ごしてきました。中学校に上がるときに、三菱重工浦和レッズレディース(以下レッズ)のセレクションに合格することができ、中学・高校の6年間はレッズでプレーしました。そして2022年度に筑波大学に入学し、現在に至ります。
ここからは、私が悩みに悩んだ末、筑波大学進学を決めた経緯とサッカーについて話していきます。
私が高校卒業後の進路を考え始めたのは、高校3年生になってからでした。トップチームへの昇格は難しいだろうと考えていたので、自然と大学進学を考え始めました。選手寿命やセカンドキャリアなど、自分の将来のことを考えたときに、サッカーだけで生計を立てていくことは現実的ではないなと考えていたので、文武両道ができる大学に進学したいと思うようになりました。具体的には、小学校から続けてきたサッカーが高いレベルで続けられること、学業が質の良い環境で学べること、保健体育の教員免許が取れること、この三つが大学選びの主軸でした。
行きたい大学は絞られていましたが、最後の最後まで、どこの大学へ進学するか悩みました。何回も何回もその大学に入学した先の自分を想像しました。
筑波に行こうと決めた最終的な理由は、女サカが自分にとって心地よかったことです。高校3年生の夏に練習参加させていただいた時に、アットホームな雰囲気と優しく接してくださった先輩方に出会うことができました。ここでサッカーがしたい。素直にそう思える場所でした。
その後、女サカについて調べていくうちに、女サカに入れば自分の新たな可能性を見つけられるかもしれないと思いました。女サカは他の大学と違って様々なバックグラウンドを持った選手たちが所属しています。競技レベルも様々で、サッカー一筋で生きてきた人の方が少ないような集団です。サッカーだけすればいい場所ではありません。だからこそ、今まで以上に自分にフォーカスし、自分の力をさらに高められる、可能性を広げられると思いました。実際、サッカーをしていただけでは出会えなかった人たちと出会い、日々刺激を受けることができる充実した環境で生活できていると感じます。筑波を選んでよかったと胸を張って言えます。
「あなたにとってサッカーとは何ですか。」
この質問はこれまで何度も聞かれてきました。その度に何度も悩みました。「人生」、「宝物」、何を当てはめてもいまいちしっくりこない。私にとってのサッカーって何なのだろう。小学校1年生で始め、サッカーしかやってこなかったからか、サッカーがあることが当たり前で、自分がやるべきこと、やらなきゃいけないことっていう感じでした。だから、他の人みたいにサッカーが何よりも大好きっていうわけでもないし、日常にありすぎるからこそサッカーに対して何の特別な感情が沸かない。そんな感じです。
でも最近、なんとなくですが、自分の中でこの質問に対する答えが出てきました。それは、
『自分を悩ませるもの』
とりあえず今はこの答えが一番しっくりきます。(このブログが出るころにはすでに変わっているかもしれませんが)
ただ、悩ませるからといってサッカーを悪いように捉えているわけではありません。サッカーがあったからこそ、大切な人たちに出会えたし、かけがえのない経験をさせていただくことができました。そのことには変わりありません。
それでも今現在、私にとってのサッカーとは『自分を悩ませるもの』です。
私のサッカー人生を振り返るとまず浮かぶのは苦しかった経験。特にレッズにいた時はサッカーをやめる寸前まで悩んだ覚えがあります。
高校3年生の夏に行われた全国大会。決勝トーナメント進出を逃した試合の後、監督との話の中で、生まれて初めて絶望を味わいました。(恥ずかしいのでどんな内容かは伏せます笑)夜中に一人ノートを書きながら、涙が止まりませんでした。私が今までやってきたことは何だったのだろうと、自分の存在価値を見失いました。あの時書いたノートを読み返すといまだに胸が締め付けられる感覚になります。3年生なのに、キャプテンなのに、最後なのに、どうしてここまでダメな人間なのか。とにかく悔しかった。情けなかった。何も変わっていないじゃないかと。自分を責め続けました。一番サッカーに悩まされた時だったと思います。
お恥ずかしいことに、筑波に来てからもサッカーには悩まされました。自分がやらなきゃと気負い、自滅する日々。勝つことがどれほど難しかったのかを痛感させられる毎日。レッズ時代の同期がどんどん活躍していくのを聞いて、自分は成長しているのか不安でいっぱいでした。サッカーをすることが怖くなったこともあります。レッズ時代、あれほど一喜一憂するなと言われていたはずなのに、モチベーションは浮き沈みし、何もうまくいかない。気づけば自分にベクトルを向けられていない自分がいました。
こんな感じで、壁にぶち当たるたび、自分でもよくわからないくらいに悩みます。悩んでいても何も変わらないのはわかっているはずなのにいつまでも悩んでしまいます。自分の悪い所です。
そんな時、周りにいる人たちが自分を救ってくれます。相談にのって励ましてくれる人、お前ならやれる、やれと言ってくれる人、背中で見せてくれる人、支えてくれる人、一緒に頑張ろうと言ってくれる人。うじうじしている自分を救ってくれるすべての人が私の頑張る原動力となってくれています。
こんなにも悩まされてきたサッカーを、この13年間、続けてこられたのはその人たちのおかげです。そして、時間があれば自主練習に誘い、毎試合フィードバックをしてくれた父親、食材までこだわり栄養満点の食事を毎日作り、マッサージまでしてくれた母親、二人の存在のおかげです。そして、これほどにも周りに恵まれていることに気づかせてくれたことはサッカーのおかげです。今ある私の大切な繋がりはサッカーがあったからこそのものです。
ここまで、私にとってのサッカーをつらつらと書いてきましたが、つくづく思うのは、悩めるって贅沢なことだよな!ってことです。今もどうすればいいのかわからなくなる時があります。そこに明確な答えなんて出ません。だからこそ、私はこれからもサッカーに悩み、考え続けます。でも不安はありません。大切な人たちがついているから。
さて、今シーズンも終盤戦にさしかかっているということで、少しだけ意気込みを書いておこうと思います。
今シーズンはチームとしてなかなか勝ち点を積むことができず、苦しい時期が続きました。気がつけばシーズンも終盤戦、このチームでプレーできるのもあとわずかになっています。試合に勝てない、なかなか結果が出ないもどかしさ、どうすればいいのか考え続けてきました。
私は今の4年生が大好きだし、このチームが大好きです。だからこそ少しでも長く、最後は笑って終わりたい。そのために、自分にできることは少ないかもしれないけれど、チームのために自分にできることを最大限やり遂げるのみだと思っています。一瞬一瞬に魂を込めて、熱いプレーでチームに貢献できるよう精進します。
誰も期待していないかもしれない。こんな自分を嘲笑っているかもしれない。それでも、自分だけは、最後まで、自分の可能性に期待し続けてやろうと思います。
最後に、
いつも筑波大学女子サッカー部を応援していただきありがとうございます。応援してくださる方々に、一つでも多くの勝利と笑顔をお届けできるよう、残りのシーズン、チーム一丸となって戦ってまいりますので、今後とも応援のほどよろしくお願いします。
長い文章となってしまいましたが、最後まで読んでいただきありがとうございました。
平中響乃(#7 ナラ)